ネットワークの宇宙に散りばめた無数の呪詛を

Self-Reference ENGINE (ハヤカワ文庫JA)

Self-Reference ENGINE (ハヤカワ文庫JA)

独立した短篇集のようで交絡因子が存在するメタフィクション
ただの設定の羅列と書けば少々乱暴かもしれないが、この感想が正しいと感じる。真正面から読んではいけなくて、円城塔のやりたい放題なんだと我々もメタ的に思慮を深めずして読むことが妥当な対応なんだと思う。学術本ではなく小説なので。
エピローグで冒頭と最後に登場するリタとジェイムスのお話について触れられていて、しかしそこにあまり関心が生まれずそれよりも巨大知性体とそれを上回る超越知性体、時空の外側にある次元という概念、のようなメタに次ぐメタ構造の方が気になるものだった。06:Tome に登場する、自己消滅オートマトンの理論を発表した学者が自分を消失させて記録や記憶からも消える、一番面白かった。
あと13:Japanese の日本文字(現代)を解読するという何やらレトロスペクティブな知見とか、床下からジグムント・フロイトが大量に出てくるとか。

ぬむもさんとんぽぬくん

ぬむもさんとんぽぬくん

粟岳さんの作品の何とも言えない雰囲気は相変わらずで和む。けど過去作品との繋がりも明確に示されていたのでかなり読みやすかったので驚いた
前作を読んでいないので買いに行こうと思った。