穴と欠落

私の部屋には大きな穴が空いている。
部屋の梯子を登った先にある穴だ。中学二年生の時、思い切り蹴ったら爆音とともに空いた。
それから約7年。沢山の流動する事象に曝されながら生きた。時には死を思考し時には生き続けようと拳を握り締め、不安定な足元や感情に付き纏われながら生きた。
上手く肯定的に運ばない気持ちというものはこの穴が空いているせいかもしれない。
自室なのに7年も修理を怠り放置してしまったから幸福が全て逃げ出しているのかもしれない。
この穴を塞がない限り一生私はこのまま堕ち続ける暗鬱とした人生を歩むのだ。

私は生まれつき骨が足りない。
上顎前歯と、背骨が一本。
前歯は歯列矯正をしていたときにインプラントで埋め合せる予定であったが、歯科医との馬が合わなくてインプラントどころか歯列矯正自体途中で放棄した。
背骨は、小学生の頃腰痛で動けなくなった時整形外科でレントゲンを撮った際に判明した。このせいで当時の腰痛は引き起こされたようで、隠れ持った畸形だった。腰痛は電気療法で解消され現在まで発症することはない。
どうしても普通に振る舞えない欠落を再び痛感したとき、こうした生まれ持った欠落を思い出しては先天性であり逃れられない欠落なのだと納得して諦めようとする。
何とかそれを補う術を求めて今を生きている。


人と話したら色々思い出すよねという話。
中学受験の塾に通っていた時に出会ったロリコン算数教師とか、昔の恋人のこととか。
今の今まで忘れていた。
忘れてはいけないことを忘れているんだろうなと、不安を超えて虚無である。

明日からごーるでんうぃーくです。