黒鳥の旅もしくは幻想庭園

中井英夫のエッセイ集。
Ⅰ オーストラリア幻想旅行/Ⅱ 白鳥盗人・ほか/Ⅲ 百科事典について/Ⅳ 色彩・その毒について
の四編からなる。

Ⅰではオーストラリアへの一人旅の記録で、旅の理由というものが氏の中に棲みついた黒鳥を故郷へ返す為。『黒鳥譚』とも繋がるもの。
Ⅱは戦争や憲法などに対し論じていて、左翼的。
Ⅲは百科事典の話。コンピューターの台頭。
Ⅳは幅広いものを取り上げてる。「国民服の菊五郎(P165)」のような娯楽(なのだろうか?)に対する見識は現代と通ずるものがある。
エッセイとは真に思考の垂れ流しで、氏の思考というか観点はユニークで最高だなあという稚拙な表現しかできないのが口惜しい(感想付けるものではないが)。散在する比喩や色彩の扱いが繊細で奇麗だからすきです。
しかし彼はゲイなのかバイなのか結局どっちなんだ。

約四十年経った現代で読まれていることが不思議というか、古びているけれどもそこに在り続けるっていう真実は書物の醍醐味だ。
私は書を捨てません。し、「邂逅」という言葉を大切に信じたい。

影響されやすいので田端か西荻窪に住みたいです。