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幸福論

幸福論 (角川文庫)

幸福論 (角川文庫)

「幸福になるためにすべきこと」でも「幸福という状態」でも「幸福についての思想」でもなく「幸福論」が書かれている。書物批判から始まるが言葉を介して表現するに他ならないことに悔しさを覚えつつ、各項目(肉体/演技/出会い/性/偶然/歴史)と「幸福論」の結び付きを理論的に掘り下げる。物凄く理屈。
生きることに関する見識が読者である私と異なりすぎて上手く腑に落ちなかった。「出会い」と「性」が分かりやすくて「歴史」が興味深かったものの、全て客観的に読んでも自分に当てはめるとなるとやはりちぐはぐで、それは「どうしても自分を好きになれない人」であるから、なように思えてきて、混乱してきた。
個人的な意見であるが、幸福とは個人の絶対的な非物質的物質(分かってほしい表現だ)だから、論ずるに値しない。あくまでも寺山的「幸福論」としての絶対性しか存在しないので、結局この本から得られるものは何もないように感じる。
まあ面白いんですよ、すごく面白い。寺山修司面白い。だから作品として読めば面白い。
「幸福論」の障碍となる活字で構成された書物を読書する、という始点にある時点で彼の幸福論を理解することは無いのだろう。